【LGBTQ with】人として立派であること

小原ブラス / Vlas Kobara

今の日本では「LGBTQに配慮するべきだ」という言葉をよく聞きますが、必要なのは配慮というよりも、当たり前に接することだと思います。そもそも、LGBTで誰がレズビアンで、誰がゲイでとカテゴライズをする必要も本来はありません。というより不可能です。性は流動的で、明日は誰を好きになるかなんて分からないのですから。人もそうです。アイデンティティは常に流動し、個人は常に変わります。生まれながらにして、人種、民族、国籍、性別等の様々な枠に振り分けられ、そして生きていく中で数えきれない流動するアイデンティティが加わる。それがまるで1つの分子構造のパズルのように組み合わさり、1人の個人として存在しているように思います。

皆は僕が「関西弁を喋るロシア人、そしてゲイ」という点に注目をするけど、よく考えたらロシア人なんて世界には1.5億人いるし、関西人は2000万人います。同性愛者も世界人口の5〜10%いると言われます。その組み合わせが珍しいから注目されるのかもしれないけど、1つ1つを紐解いていくとなにも珍しくはありません。そして誰でもアイデンティティを組み合わせたら珍しい人なのです。相手をよく見て、よく話したら誰でも「変な人だな」と思えるポイントは持ってるものですよ。

ロシア人として立派である前に、関西人として立派である前に、男として立派である前に、人として立派であることを目指せば、それで良いんじゃないの？そんなことを身をもって伝えていけたらいいなと思っています。

■ これまでLGBTQについて発信してきたコラム記事

・【グラデセダイ07 / 小原ブラス】カミングアウトをしなくてもいい世界
▶︎ https://telling.asahi.com/article/12898193
「こうあるべき」という押しつけを軽やかにはねのけて、性別も選択肢も自由に選ぼうとしている「グラデ世代」。小原ブラスが考える、カミングアウトについての記事。

・【グラデセダイ51 / 小原ブラス】「LGBTQ」と「子育て」は両立できる
▶︎ https://telling.asahi.com/article/13863630

・【グラデセダイ59 / 小原ブラス】「紅白歌合戦」の組分けにLGBTQへの配慮は必要か？
▶︎ https://trilltrill.jp/articles/1754542

■これまでLGBTQについて発信してきた動画

【LGBTQ】当事者としてあまり言いたくなかったこと。